IPアドレス(IPv4)とは?
IPアドレスって何なの?
IPアドレスとは、192.168.0.1のような数字の羅列で、ネットワークに接続されている機器の識別を行うためのものです。
もっとわかりやすく言うと皆さんが普段から使っている住所です。
○○県 △△市 ##区 □□町 ☆☆丁目 ◇-◇
上記がその例ですね。
これは○○県の中の、△△市の中の、##区の中の、□□町の中の、☆☆丁目の中の、◇-◇という建物を指しています。
ではIPアドレスはどうでしょうか?
○○○.△△△.□□□.◇◇◇
上記がIPアドレスの例です。
これも住所と同じように、○○○の中の、△△△の中の、□□□の中の◇◇◇の機器を指しています。
じゃあ、私たちがいつも使っている住所と変わらないってこと?
そうです、IPアドレスは皆さんが普段から使用している住所と大差変わりないのです。
人間が理解出来る住所と、機械が理解できる住所という違いだけです。
じゃあ、いつものように住所を書くようにIPアドレスを記述しよう!
…ちょっと待ってください。
IPアドレスの記述は住所の記述と違い、気を付けなければいけない点があります。
例えば、住所はある程度バラバラに書いても人間は理解してくれますが、IPアドレスは1文字のミス、順番のミスで通信不能、最悪の場合、全く知らない赤の他人に自分の情報を送信してしまうことになります。
他にも、プライベートIPアドレスやグローバルIPアドレスというように、IPの中でも二つに分かれていたりします。
ではここからIPアドレスについてしっかりと理解を深めましょう。
IPアドレス(IPv4)のルールについて
ルール?どんなものがあるの?
IPアドレスにはルールが数多く存在します。
まずは、IPアドレスが大きく二つに分かれている理由について説明します。
なぜIPアドレスは二つに分類されている?
IPアドレスは1981年に制定された規格で、32bit(32個の0と1の数字)で構成されたものです。
32bitで表現できる数は最大約43億(0.0.0.0~255.255.255.255)ほどです。
多いと感じるかもしれませんが、IPアドレスは圧倒的に不足しています。
例えば、現在の人口(約77億人)一人一人がネットワーク機器を持っているとします。
足りなくない?
そうです、完全に不足しています。
さらに、現代は一人が一つのネットワーク機器ということはほとんどないと思います。
スマートフォン、パソコン、ゲーム機、さらには最近では家電機器もネットワーク機器となっており、ますますIPアドレスが足りません。
なので、グローバルIPアドレス、プライベートIPアドレスに分けて、不足する事態を防ごう、という考えのもとこの二つのIPアドレスは考え出されました。
それでも足りませんが…
どのように二つに分かれているの?
グローバルIPは世界で通用するIPアドレス、プライベートIPは企業内、家庭内で通用するIPアドレスです。
上記の画像のように家の境目にあるルーターでグローバルIP、プライベートIPが分かれています。
まず、プライベートIPアドレスから解説していきます。
プライベートIPアドレスって何?
プライベートIPはLAN(Local Area Network)で使用されるIPアドレスのことです。
名前にLocalという名前がついているように、プライベートIPアドレスは企業内、家庭内で使用することができるIPアドレスです。
企業内、家庭内で使用することができるので、自分で自由に指定することができます。
このプライベートIPアドレスにも一応ルールが様々ありますが今回は三つだけ説明します。
1、同一ネットワーク上の同じIPは大丈夫?
同一ネットワーク上で他のネットワーク機器と同じIPを使ってはいけません。
他のネットワーク機器と同じIPにすると、そのIPに設定したネットワーク機器は通信不能となるので注意してください。
2、どんなアドレスを使用すればいい?
使用されるネットワーク機器の数によって使うアドレスが推奨されています。(推奨されているだけで他を使うなというわけではありません)
それが以下の通りです。
- 大規模ネットワーク : 10.0.0.0 ~ 10.255.255.255 (約1677万)
- 中規模ネットワーク : 172.16.0.0 ~ 172.31.255.255 (約104万)
- 小規模ネットワーク : 192.168.0.0 ~ 192.168.255.255 (約6万)
大規模ネットワークは会社などの大きな組織で使用されます。
中規模ネットワークは病院などの上記ほどではない組織で使用されます。
小規模ネットワークは家などのネットワーク機器が少ないで場所で使用されます。
組織の大きさによって使用するIPを変えて使いやすくしているんだね!
3、サブネットマスクとは?
IPアドレスの設定をする際に一緒に設定するサブネットマスクというものがあります。
これはネットワークの範囲を指定するものです。
サブネットマスクには255.255.255.0などのアドレスがあり、これを2進数で表現すると11111111.11111111.11111111.00000000となります。
※ちなみに下の画像のように一つ目の8ビットを第一オクテット、二つ目の8ビットを第二オクテット、三つ目の8ビットを第三オクテット、四つ目の8ビットを第四オクテットと言います。
この0の部分が同一ネットワークとして認識される範囲です。
なので下の画像のように、左の四角の部分を変更すると別のネットワークとして認識され、右の四角の部分を変更すると同一ネットワークとして認識されます。
サブネットマスクが255.255.255.0(11111111.11111111.11111111.00000000)の場合第四オクテットがすべて0なので第四オクテットが8ビット分である0~255が同じネットワークとして認識され、通信することができます。
しかし、サブネットマスクが255.255.255.192(11111111.11111111.11111111.11000000)だと、使用することができるネットワークは第四オクテットの右から6ビット分である0~63が同じネットワークとして認識されます。
以下が通信例です。
4、ネットワークアドレス、ブロードキャストアドレスとは?
ネットワークアドレスはネットワーク範囲の一番最初のアドレスで、ネットワークそのものを指すアドレスです。
サブネットマスクが255.255.255.0、IPが第三オクテットまで192.168.0だった場合は、192.168.0.0がネットワークアドレスです。
ブロードキャストアドレスはネットワーク範囲の一番最後のアドレスで、指定したネットワーク範囲のすべての端末にパケットを送信するためのアドレスです。
サブネットマスクが255.255.255.0、IPが第三オクテットまで192.168.0だった場合は、192.168.0.255がネットワークアドレスです。
イメージ的にはこんなものでいいです。
グローバルIPアドレスって何?
グローバルIPはWAN(Wide Area Network)で使用されるIPアドレスのことです。
WANはLANが複数接続されたものを指します。
WANは簡単に言うとインターネットです。
グローバルIPアドレスはそのWAN上で使用できるIPアドレスです。
グローバルIPアドレスはプライベートIPアドレスとは違い、IPアドレスがICANNという組織によって管理され、IPアドレスがほかのものと被らないようになっています。
なので自分に割り振られたIPアドレスは世界でひとつの、自分だけのものになります。(IPの変更がない限り)
このグローバルIPアドレスを使用してインターネット上で通信をします。
グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスが変わる境目とは?
グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスが変わる境目は、下の画像にある家とインターネットの四角のルーターの個所で変換されています。
ルーター内では、NATという技術を使ってグローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスの変換を行っています。
このNATという技術があるおかげで我々は大勢の人と通信できています。
最後に
IPについて理解できたでしょうか。
プライベートIPやグローバルIPはネットワークにおいて基礎中の基礎です。
もしネットワークに少しでも興味が湧いたら次はルーティングについても調べてみるといいです。
ルーティングはネットワーク範囲外の機器との通信を可能とする機能です。
個人的にはネットワークにハマると結構抜け出せなくなるかもしれません(笑)
それでは!よきネットサーフィンライフを!
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